2016年7月23日土曜日

O学校法人の裏金5億の本当の罪と大阪府の補助金20%減額

O学校法人の裏金事件


O中学高等学校が少なくとも10年間、保護者から模試代や教材代として集めたお金を不正にプールし、学習塾への接待(ゴルフ、飲食等)の他、誰に贈られたのかわからないブランド品(100万円のバッグや10万円のスカーフ等)に使われたそうです。裏金は5億円を超え、裏金口座から前校長を含む幹部職員の口座に1,700万円が振り込まれた形跡もあるとのことです。

O高校は高校野球の名門校であると同時に大学進学校としても力を入れていますね。東大や京大といった超一流大学の合格者も多数出しているようです。

私の知人に卒業生が居て、彼から聞いた話ですが、スポーツ組と勉強組は元からクラスが別れていて、彼は勉強組だったらしいです。勉強組は毎日小テストがあって、模試も良く受けさせられたと言ってました。

  • スポーツ組が広告宣伝部
  • 勉強組が営業部

という仕組みで学校の知名度を上げ、生徒を集めるビジネスモデルです。批判するつもりはありませんよ。そういうものだと思います。

裏金の手口を確認しておきたいと思います


まず予備校の模試を学校で行います。模試の問題は大手予備校のもので、その採点と偏差値算出などは大手予備校が行なうので大阪桐蔭は場所の提供ということですね。
模試の申込みは学校でまとめて受け付けて保護者から一人幾らでお金を集めます。そして予備校には一括して代金を支払う。


集めたお金>予備校に払うお金


この差額を『儲け』又は『利益』として帳簿に計上せずに隠し口座に貯めていったわけです。

もし利益として帳簿に計上していたら何の問題も無かった


ニュース番組では、この儲け自体が悪いことのように報じられていましたが、そうじゃありません。儲けを『記帳せず隠していた』ことと『不適切な使途』や『私的な流用』があったことが悪いことなんです。模試を学校で行うことに付加価値があるからです。

どんな付加価値かちょっと書き出してみます。


①保護者に対する付加価値

  • 通学定期で行けるいつもの学校で行われる
  • 模試の結果を同時に学校も入手し、進路指導をして貰える

②予備校に対する付加価値

  • 会場を学校でやって貰える
  • 申込み事務を一つにまとめて貰える
  • 安定して多数の生徒の模試を申込んで貰える

つまり、保護者に対しては通常の模試の料金にその付加価値をオンした料金を請求しても良いですし、予備校に対しては通常よりも料金を割引きして貰うのが常識でしょうね。

問題があるとすれば、保護者に対してその付加価値をオンしていることを説明してないことです。

説明せずにオンしている金額が常識的な感覚とかけ離れて高い場合は問題となるでしょう。


裏金の使い途『接待』と『私的流用』


じゃあ記帳しておけばよかったのにと思われるかもしれません。記帳すると学習塾の塾長との接待ゴルフに使ったり、自分のお金が足りない時にちょっと借りたりできないからです。

本当の犯罪は補助金の過大請求です。

学校法人は営利を目的としない公益法人です。

建前としては、創立者が私財を投じて国の次代を担う人材を教育する目的で設立されるものですので『補助金』が出ているんです。

今年は大阪府から6億6千万円出る予定だったんですね。でもそうやって儲けてるんだったら、そんなに補助金は要らなかっただろうということになる。

今まで税金から払われていたお金=補助金は間接的に学習塾や前学長や幹部のポケットマネーに流れていたようなものです。

大阪府は補助金を20%減額すると言ってますが個人的には生ぬるいんじゃないかなと思います。

母体となる大学の理事長は『改善策を検討し、学園を挙げて信頼回復に努めたい』と語っています。

その大学も…補助金目当てに組織ぐるみで付属高校の生徒を利用し、やらせ入試をやってたんです。


平成21年に補助金を得るために入学者数を調節するため、付属高校の成績上位の生徒に謝礼を支払って大学を受験させ、入学を辞退させる不正を働き、関係者が処分されています。


私が『生ぬるい』と言う理由は分かって頂けると思います。

生徒には罪は無く、一番の被害者です。学校にはしっかりして貰いたいものです。