2016年2月12日金曜日

M銀行元行員横領事件から考える 繰り返される理由と不正防止の観点

全ての銀行関係者に考えてほしいこと

始めに断っておきます、私はM銀行の関係者ではなく、家族にも関係者はいません。また、たまたまですがM銀行に預金は無く、融資も受けていません。投資もしてませんよ。

このブログは、M銀行の関係者(もしかしたら経営者も)に読んで貰いたい、と思って書いたものです。しかし、Googleで検索しても私の記事は他のニュースサイト、まとめサイトに阻まれ、なかなか読んでは貰えそうにありません。

前回はM銀行の企業としての側面に対し少し批判的な内容でした。『じゃあどうすればいいのサ?』という問いにある程度答える記事を書いておこうと思います。

銀行の3大機能と商品

銀行の3大機能は、『金融仲介』『信用創造』『決済機能』の3つの機能によって成り立っていると言われます。詳細は避けますが、これらの機能の根幹にあるのは銀行への信用です。

マクドナルドの商品がハンバーガーであるように、銀行の商品は無形の信用です。
《モルガン•スタンレー 、ローレンス•マッキントン》 
『銀行の経営は信用があって成り立つか、融資する価値がないと判断されて成り立たなくなるかのどちらかだ』

横領が信用に与えるダメージ(決済機能における信用の軽視)

では、行員の横領が銀行の信用に与えるダメージはどの程度かというと、大したことはないというのが大方の見方です。

逮捕の報道の直後に確かに株価は下がりましたが、たまたま売り時をうかがっていた投資家が売るキッカケになった、程度のものでしょう。

『何千万も騙し取られるまで気付かないような金持ちの話だ、呑気なもんだ、俺には関係ない』って訳です。

これが『信用創造』機能への信用不安なら様相は全く異なってきます。預金者が一斉に預金を取り戻そうと窓口に殺到し、銀行は破綻します。


決済機能への取組(照合への偏り)

だからといって、銀行の決済機能への取組がずさんだと言いたいのではありません。

昔聞いた話ですので情報が古いかもしれません。3時に銀行窓口を閉めた後、残高を合わせるのですが、一円でも合わなければ帰ることは出来ない。

支店内の全員の机の中はおろか、ゴミ箱まで探して原因を追及するらしいです。

照合するということにおいて、銀行の右に出るものはないでしょう。近年はITの導入によって照合業務のかなりの部分が機械が行うようになっていると思います。一方で人間によるチェックについては照合中心から脱却できていないのではないか?というのが私の考えです。

再び、『銀行員にならなければ犯罪者にはならなかったかもしれない』

挑発的な内容ですが、怒らずに読んで下さい。

銀行員の横領という決済機能への信用というダメージについては、銀行も社会も深刻視しません(マクドナルドとエライ違いです)。また、銀行の決済機能のチェックは未だに照合に偏っているため、照合で発見されない手口(内部の者による偽造)には弱い。

今後も、善良な銀行員から一定数の犯罪者が出続けるのでしょう。


不正防止の観点からのチェックを


こういった犯罪の場合、その時は気付かなかったが『今にして思えば不自然だった』というような出来事(兆候)があるものです。

そういった生きた経験を、個人のものだけにするのではなく、組織で共有し、可能なものはルーティンのチェックの中に織り込んで行く。

照合についてはそろそろ機械に任せ、人によるチェックは仲間を犯罪者にしないための不正防止の観点からのチェックにシフトすべきではないでしょうか?


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