2016年5月1日日曜日

O社の株主総会 勝った2世社長に忍び寄る米ファンドの影と同族会社の今後

O社の親子喧嘩は下馬評を覆して娘(現社長)が勝ちました。


経営方針を巡り創立者と現社長が対立していたO社の株主総会が本日開催され、現社長の議案が61%の賛成多数で採決されました。総会内でも父娘が鋭く対立し、株主からは『親子の対立でO社のブランドが傷ついている』、『双方が歩み寄って握手すればいいのになぜそれができないのか』など騒動に対する批判や早期収束を求める意見が相次いだとのことです。

現社長を支持したのは?


創業者が筆頭株主として約19%の議決権を有してます。加えて従業員持株会、大株主にして主要取引先の他取引先の株主が創業者を支持していたので、『創業者有利、追い込まれた現社長』という構図でした。

しかし、フタを開ければ61%の多数で現社長の勝利でした。議決権を行使した株主の割合も影響すると思いますが、注目された株主総会でしたので、普段は議決権を放棄する多くの『浮動票』が現社長に流れた結果でしょう。

浮動票以外に現社長を支持したのは、アメリカのファンド『ブランデス インベストメント パートナーズ』でした。

O社の株を主に投機目的で保有している(基本的に株価にしか興味のない)人達よって現社長が支持された

と私は見ています。

これが会社法のルールですので、そのことを問題にするつもりはありません。

多くの人は『世代交代』としていずれ創業者は退くのが筋だから、と感じるでしょう。しかし、この世代交代では創業者の築いてきた、業界での地位や影響力、従業員に対するリーダーシップを承継していないんです。

創業者の後押しの無い現社長はリーダーとして適格か?

そもそも、現社長が社長であった理由は創業者の娘だからです。おそらく、会社の内外に現社長よりも優れた経営者は居ます。

今後の展開として想定されるのは、現社長の退場です。大塚家具の株式を約10%所有していますが、創業者の19%よりも少なく支持している株主は前述の『浮動票』です。

現社長が今後『結果』を出せなかった場合、彼女を退場させるのは創業者の時よりも容易でしょう。

そうなった時に新しい経営者を連れて来るのは、アメリカのファンド『ブランデス インベストメント パートナーズ』である可能性が高いと思います。

日本の大企業には意外と一代で大きくなった同族会社があるんですが、ちょうどこれから創業者が引退の年齢になってくる会社が多いです。

本音を言いますと、会社が一定以上に大きくなって影響力を持ったら同族会社でない方が社会や従業員にとってはハッピーなんだと思います。

誰が支配していようが『社会が必要とする企業』は残ります


たとえ一族以外のものが社長になったとしても、また外国人であったとしても、O社のブランドと精神が承継されていくのであれば、それが彼ら父娘にとっての本当の勝利であろうと思います。

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